私の場合は、作品をイメージする時には過去の消化しきれない思いが発火点になる事が多いです。
砂漠の少年には背中に黒い山羊の痣があります。生まれながらの宿命。
これは私が妄想したストーリーだけれどこのストーリーにはモデルがいます。

_DSC3622-01-02


兄が高校生のとき連れてきた兄の友人。長身で優しい印象。ですが彼の家は有名でした。いわゆる反社の家庭でした。
進学校に入学した彼でしたがいつも彼の人格よりも家庭が噂の的になっていました。彼は苦悩し兄にいつも相談していたと後で聞きました。
その後彼は進学し少し離れた土地で公務員なりました。ですがやはり噂は彼を苦しめました。
それから暫く兄からも彼の事を聴くことはなくなりましたが十数年後兄は彼と久しぶりに会うことになりました。
彼はその時前職を辞め牧師になっていました。
宿命を絶ち切ったのだと私は思ったけれど同時に憐れみを感じてしまったのです。でも今思えばそれはとんでもない間違いで私の浅はかな想像でした。

更に時は過ぎ私の兄が急逝します。そのとき弔辞を読んでくれたのがその彼です。
彼の弔辞の中の兄は才能あふれる青年、けれど繊細でデリケート、そんな兄をこよなく愛してくれた兄の友人の思い出話でした。兄こそが彼に支えてもらっていたのだとその時初めて知りました。彼は強く逞しくそして優しい。牧師になったのは決っして逃げ込んだのではなく導かれた天職だったのだと今は思います。

_DSC3604-01-02-01-01


砂漠の少年を作るきっかけにはそんな思い出話があります。
ですが完成してしまえばその思い出話もおしまいです。
ここからはこの少年が1人歩きし私は黒子でもなくなります。展覧会に出品したらどうぞ新しいストーリーを少年に与えてやってください。

#人形
#球体関節人形
#balljointeddoll
MinagawaDolls公式ページhttp://minagawadolls.work
MinagawaDollsの独り言http://yukominagawa.livedoor.blog

ブログランキングに参加しています。
下のバーナーをクリックして頂けたら嬉しいです。

にほんブログ村 美術ブログ 創作活動・創作日記へ
にほんブログ村

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 手作り人形へ
にほんブログ村