その子の名前はゆりちゃん。
何でわかるかって?
だって自分のこと「ゆりねぇー」
って呼ぶから。
ゆりちゃんはおばあちゃんと一緒。
何でわかるかって?
だってゆりちゃんが「おばあちゃん」って話しかけてたから。
ここは雪が降ると歩くのが大変。
人がやっとすれ違うくらいの細い道しかない。だから私は初めて会ったゆりちゃんとおばあちゃんの会話を後ろに聞きながら歩いた。

「太陽みたらダメよ。眩しいから。」
「みたら死ぬの?」
「死なないけどあぶないよ。」

「おばあちゃん、あそこ行ったことある?」
「ゆりねぇーあそこはもう一生行きたくない」
「なんで?」
「だって人形がいるんだもん。
ゆりは人形がこわい」
「でもうさちゃんとリカちゃんは大丈夫」
「二つだけ」

「おばあちゃん、あそこは何?病院?」
「違うよ。あそこは歩けなかったり
一人で生活が難しい人をお世話するところだよ」
「おじいちゃんみたいな人がいるの?おじいちゃんは・・なんだっけ?あれは?あっ杖!杖をおじいちゃんはもって歩いてるね。」
「大きくなったらゆりが助けるよ」

ゆりちゃんとおばあちゃんの会話は続く。もっと聞いていたかったけど私はここで右に曲がらなきゃ。心でさよならと言って私は一本道を離れた。そのときちょっと左目で初めてゆりちゃんとおはあちゃんの姿を見たよ。
ピンクのぼんぼり帽子のゆりちゃん、そんなには背が違わないおばあちゃんのポッケに手を入れて歩いてた。あの後も会話はつづいたのよね。
やっぱりまだ聞いていたかったな。

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