あれは私が１５歳のとき、高校入学のお祝いに母が東京旅行を用意してくれた

東京にはすでに大学生になった20歳の兄がいて私を東京見物に案内してくれた

兄は大学生をやりながらプロのミュージシャンになるとかプロボクサーになるとか

そんな夢ばかりを追っていたけれど酒びたりで最初の下宿をとうに追い出されてひどい

暮らしぶりだった

そんな兄が私に御馳走してくれるのはせいぜい吉野家の牛丼くらいだったのだろう

兄は無造作に卵二つを大盛りの牛丼に割りいれていつもの様子で食べていたけれど

私といえばこんなに美味しいものが世の中にあるのかと東京はすごいところなんだと

感激したのを覚えている

兄は器用な人で何でも夢中になったものは上手くなった　そのくせ孤独な人で

人付き合いが極端に下手なやっかいな兄でもあった

けれど私は兄が大好きでいつも兄の部屋で夜通し兄のうんちくを聞いていても

ちっとも苦にならなかった

そんな兄が孤独に死んでしまっのはちょうど４年前　兄はかわいそうな人とずっと思っていたけれど

考えたら人は死ぬときは誰だって１人だし誰もその世界に手を引いてくれたりしない

かわいそうなのはずっと遺された私の方だ　最近そう思うようになった

でも自分がかわいそうなのはちっとも楽しくないから私は兄の分まで生きることにした

二人分だからきっと思う存分楽しめるはずなんだ

先週東京であれ以来初めて吉野家の牛丼を食べた　美味しいと思ったのは同じだったけど

違うのは隣に兄がいないことと私がビールを飲んでいることだ

隣の席はいつだってこれからも空席で兄の代わりを誰にも埋めてはもらえないと

少し悲しい気持ちになったけど兄の分まで食べたのだから腹一杯になった
このブログで時々兄の話を書く

身内であっても大切な人の死の乗り越え方は違う

私が兄の話をできる人は誰もいない

ここがあって本当に良かった

この角度から見るのは男性だけの特権か

ならば男性目線で作らなきゃならない

想像は見られることの恥辱とほんの少しの優越感しか浮かばない

願望してみる・・・

女性が神々しくみえる一瞬があるならその瞬間を切りとって形にしてみたい

結局女性目線なのかもしれないけれど・・

この新作は公募展用ですが以前から作りたいと思っていた作品です

全ての工程をお見せできないのが心苦しいけれど私がもうひとつ

階段を上るきっかけにしたいです

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ちょっとお出かけしてました

お勉強のような・・そうでないような・・旅行（笑　謎旅行

まぁ、それは置いておいて・・・

時間があったので行ってきました

北野武　凱旋「BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展」

北野武崇拝者じゃなくても十分楽しめます

アートの世界ってそんなに敷居が高くないよってメッセージが聞こえるような・・・

体験型展示もありコメディアンとしてののサービス精神もたっぷり

笑いも沢山！きっと楽しめると思います　笑い声が聞こえる展覧会ってそんなにないでしょう？

１人より誰かと行く方が楽しいかなぁ～～誰かと笑うって幸せだから

会期は2012.9/2まで　東京オペラシティアートギャッリー

※愛しの舟越桂の父舟越保武の彫刻展も別室で偶然同時開催してました　これも運命かなぁ～～
　作品は好き？かと聞かれるとNO! でも彼の父だからん　ただ尊敬するわ（笑

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